加工食品には賞味期限か消費期限のどちらかの期限が表示される。
期限の設定は、メーカーが科学的、合理的根拠によって決めている。賞味期限はおいしく食べることができる期限のことでスナック菓子、カップめん、缶詰など加工食品に表示される。この期限を過ぎてもすぐに食べられないということではない。さらに保存日数が残っているからだ。
一方、消費期限は期限を過ぎたら安全性を欠くため、食べないほうがよいとされ、弁当、サンドイッチ、生めんなどに表示される。
加工食品は、商品がメーカーから卸売業者、小売店を経由して一般家庭で購入されるが、各段階で廃棄が出るという。一般家庭では消費期限前でも賞味期限が切れたり食べ残した場合は、廃棄される場合が多い。小売では賞味期限が切れた売れ残りを卸に返品するが、返品しない場合は廃棄しているという。卸やメーカー段階では返品や見込み生産による余剰在庫を廃棄する。消費期限内でも、賞味期限が切れた場合や返品が廃棄に回っているのが実態だ。
家庭では賞味期限が過ぎた場合でも、実際に味を確かめて、食べられる間は食べるよう消費者によく理解してもらう必要がある。小売で賞味期限が切れたら、卸に返品せずに消費期限内の商品を販売する場をつくるのも、捨てない方法のひとつ、との指摘もあった。
◆安全範囲内で、賞味期限長めに設定を
期限はメーカーが安全性を重視し、1未満の安全係数を乗じて設定するのが基本になっているという。消費者の鮮度志向の高まりを反映して必要以上に短かめに設定する場合もあり、全体として消費できる期間が実際以上に縮められ、早めに捨てる結果になっているという。期限は、安全の範囲内で長めに設定するのが今後の課題とされた。
さらに、期限の表示とは別に、流通段階で商品管理の面から、賞味期限より短い納入期限や販売期限を設定している場合もあるという。業界では「3分の1ルール」と呼ばれ、納入期限は製造日から賞味期限までの期間の3分の1の時点、販売期限は3分の2の時点とするもの。期限設定を3つに分ける理由はメーカー、小売、消費の3者が製造から賞味期限までの期間を均等に分け合うというものだが、機械的に期限を分割せず、賞味期限をできるだけ長くとるなど、商品の実態に合わせた改善が必要との指摘も。
小売から卸、卸からメーカーへ返品された場合はほとんどが廃棄処分されるため、返品を少なくする工夫も必要だ。納入期限を過ぎた余剰在庫は廃棄されるケースがほとんどのため、メーカー、流通業者が協力して商品管理、配送システムを見直すことも、食品ロスの削減に役立つ。
検討会では、今後さらに改善策の協議をすすめることにしている。