大阪の精米加工・販売会社の三笠フーズ(株)が、事故米穀として非食用に用途を限定して輸入したMA米を食用として転売していた問題で、農水省は9月8日の会見でMA米の検査体制などについて説明した。
米の輸入は他の農作物と異なり、国が主導で行っているため、検査体制もより厳しくなっているという。
他の農作物の場合、日本側が品質調査をするのは日本の税関で厚労省が行う検疫のみだが、米の場合は日本での検疫の他に、現地でも農水省が主体となって品質調査を行っており、2重の検査体制を敷いている。そのため、天災被害や輸送中の人為的ミスなどによる事故以外はほぼ防ぐことができる体制になっている。
現地での調査をしているにもかかわらず、日本の税関で残留農薬が検出されることについて農水省総合食料局食糧貿易課の梶島達也課長は「基準値は0.01ppmというほぼ限界の数値。それを超過した数値が検出されたが、メタミドホスで0.05ppm、アセタミプリドで0.03ppmなど、これらもほぼ限界に近い数値だ。検査はサンプル調査なので、あるサンプルでは0.01ppm以下で、異なるサンプルでは0.05ppmということは起こりえるので、これはもはや防ぎようがない」と説明ている。
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農水省では三笠フーズが食用として事故米穀を転売したルートを、三笠フーズの伝票などをもとに各県や農政事務所などと協力して調査している。
9日には新たに、大阪の仲介業者を通して、熊本の酒造メーカーにアセタミプリドが検出されたベトナム産うるち米を転売したことと、最大7回となっていた転売回数がさらに増え8回の転売が明らかになった。
過去に事故米穀の購入実績のある、商社2社を含む全国18業者への一斉点検については、8日から各社に連絡した上で随時立ち入り検査を開始した。