大阪の精米加工・販売業者三笠フーズが、MA米などの事故米を工業用のり原料として購入しながら、食用に転売していた問題で9月10日、新たな購入ルートが明らかになった。
新たに判明したのは、平成17年度にカビの発生したタイ産のうるち・もち米72tを、アンドレイ・ファーイースト(株)を通じて購入したもの。これで過去5年間に政府が商社や業者に工業用のり原料として販売した事故米は、全て三笠フーズが購入していたことになった。
また農水省は8日から、過去に事故米を購入した実績のある業者の全国一斉点検を始めたが、新たに愛知県の加工・販売業者2社で、国との間で定められた用途以外への転売や譲渡が明らかになった。
(株)浅井は過去5年間に、メタミドホスが検出された中国産米570tなどMA米947tを含む1297tの事故米を購入し、そのうち862tを三重県の業者に転売していた。太田産業(株)はメタミドホスが検出された中国産米718tなどMA米1089tを含む1136tの事故米を購入し、136tを無償譲渡した。食用に転用されているかどうかについては、現在調査中だという。
太田誠一農水相は今回の事件をうけて10日に、▽再発防止策の確立▽流通ルートの徹底解明▽事故米の販売先業者の一斉点検の徹底▽影響を受ける加工業者等に対する支援、の4点を徹底するようにと指示を出した。再発防止策の確立の中には、今後輸入検疫で問題のあった事故米は全て返送するようにという対策が含まれている。