政府は9月29日午前の臨時閣議で20年度一般会計補正予算案を決定し、衆議院に提出した。農水省によると、農水省関係は総額2602億円(非公共費1510億円、公共費1092億円)で、農林関係1153億円、水産関係600億円、災害対策関係1092億円(農林関係の中の森林吸収源対策243億円を公共費として再計上)。
農林関係1153億円の内訳は、農業における燃油・飼料・肥料対策790億円、強い農林業の創出対策120億円、森林吸収源対策243億円の3本建てとなっている。
農業における燃油・飼料・肥料対策では、肥料・燃油高騰対応緊急対策事業(500億円)として、化学肥料の施用量や施設園芸用の燃油の消費量を2割以上低減する農業者グループに対し、肥料費や燃料費の増加分を支援する。配合飼料価格安定対策事業(85億円)として、6月に畜産・酪農緊急追加対策で決めた配合飼料価格安定制度の異常補てん財源の積み増し分を計上した。省エネルギー施設を導入してコスト低減をはかる認定農業者を支援するため、スーパーL資金、農業近代化資金に無利子化特別枠を創設し、80億円を充てる。
強い農林業の創出対策では、耕作放棄地再生利用推進事業(25億円)として、耕作放棄地の再生、利用に向けた体制整備や障害物除去などの再生実証試験、実施計画の策定を支援する。農山漁村活性化プロジェクト支援交付金(4億円)として、水田をフル活用し新規需要米等の需要に応じた定着拡大をはかるため、米粉処理加工施設の整備を支援する。
また、強い農業づくり交付金等(23億円)として、国産原材料の利用拡大に向け、供給円滑化のための集出荷貯蔵施設、穀類乾燥調製施設等の整備を支援したり、安全な畜産物を低コストで供給するため、衛生環境に配慮した動物検疫所の係留施設を整備する。
災害対策関係は、当初予算には一部を計上し、実態に即し補正するという慣例によるもの。