「地域特産のおいしい米に焦点をあてたまちづくりを本物にしたい」と展望を掲げる、深井正氏 |
国内産米粉促進ネットワークは10月3日に設立記念セミナーを開いた。「哲西町の特産品である米の消費拡大と地産地消のさらなる展開のため、本格的に米粉の生産と商品化に取り組み、平成18年には当初目標だった年間20万個の米粉パンを作った」と、元哲西町長で(特)NPOきらめき広場事務局担当理事の深井正氏が、米粉を使った町おこしの成功例を紹介したほか、講演会やパネルディスカッションを行い、米粉ビジネスに関心を寄せる60社ほどの企業を含む250人以上が集まった。
深井正氏は14年に米粉と出会い、「町おこしに使えると思った」と話す。翌年3月には若い母親たちによるグループ「こめ工房」を立ち上げ、米粉パンの製造を始め、17年には製粉事業にも乗り出し、さらには米粉ラーメンの試作も手がけている。「地産地消が大きな目標。将来的に米と一生付き合ってくれるような子どもたちを育てたいという思いで、地元産米飯給食だけでなく地元産米粉パン給食もはじめた」と、町おこしだけでなく、食育にも米粉を使っている事例を紹介した。
(財)日本穀物検定協会参与の萩田敏氏は、米粉ビジネスについて「米粉用の品種を生産するとか、消費者や加工業者に米粉商品のニーズを喚起するなど、生産から消費にいたるまでの総合的なプロモート環境の整備が必要だ」と述べ、米粉を使った商品開発をしているグリコ栄養食品食品原料事業部の瀧尾佳明取締役は、「平成10年に新潟製粉(株)を立ち上げて米粉の開発をはじめた。安心で安全な地元産の米を使う米粉商品は、地元農業が元気になる策だ」と話し、学校給食への米粉パンの導入やパン以外の米粉食品などを紹介した。
同ネットワークの??橋正郎理事長は「ネットワーク設立の目的は、新規米粉事業のサポートや生産者、商品開発者、消費者などの情報交換と交流の場を作ることだ。地域農業を勇気づけ活性化を図るとともに、食料自給率の向上に寄与したい」と目標を掲げている。 (関連記事)