三笠フーズなどによる事故米の不正規流通に絡み、農水省は10月3日、全国の地方農政局、農政事務所の食糧関係職員や本省総合食料局職員8509人に対する緊急調査結果を発表した。平成12年4月1日の国家公務員倫理法施行後に、同法に違反する行為をおこなった事実の有無、他の職員が倫理法に違反する行為をおこなっていた事実の見聞きの有無について聞き取り調査をしたという。国家公務員倫理法違反の疑いがある職員は、報道された大阪農政事務所元課長のほかに11人いることがわかった。
三笠フーズから接待を受けていたことが判明している大阪農政事務所の元課長のほかに、ある農政事務所では当時の管理職(平成18年3月退職)と専門官が、平成17年に三笠フーズの冬木社長から事故米売り渡しの見積合わせのさい、手土産の菓子を受け取っていた。
同社以外の事故米問題に関与していない業者の接待を受けた職員も9人いた。平成13年には当時の食糧庁専門官が米小売関係団体役員から居酒屋で5000円程度の接待を受けていた。平成14年には当時の食糧庁課長補佐が米小売関係団体役員と会食した。このほか、ある農政事務所では倉庫関係団体の立食パーティに平成17年と18年に管理職計2人が出席、帰りに3500円程度のハムを手土産にもらっていた。また、ある農政事務所では平成17〜20年に管理職や課長補佐ら計5人が倉庫関係団体の新年懇談会に出席し、1人当たり約9000円の会費を負担しなかった。
農水省は国家公務員倫理規定法違反のおそれがある事例を倫理審査会に報告し、違反が確定すればなんらかの処分を検討する。農水省は接待を受けたことが確定している大阪農政事務所の元課長補佐以外の事務所名や氏名は、倫理審査会で事実が確定するまでは公表できないとしている。