(財)コメ価格センター(全国米穀取引・価格形成センター)への上場がなく、公設市場で20年産米の価格水準が形成されないままになっているなか、民間の卸間売買機関の日本コメ市場が9月29日に実施した取引会では33産地銘柄885tが成約され、今年産新米の加重平均価格が1等60kg当たり包装代(紙袋)込み関東着値基準(税別)で1万4951円(前年同期比109.7%)と、約1300円上昇した。
新潟一般コシヒカリは1万6611円で昨年比109.9%と約1500円高。栃木コシヒカリは1万4250円、秋田あきたこまちは1万4246円で、いずれも昨年より1割程度高い。
20年産米の生育は順調に推移し作柄は心配ないとみられてきており、9月30日に農水省が公表した9月15日現在の作柄概況は102のやや良だった。新米価格の上昇は「産地と卸の相対価格が昨年価格を上回っていることや、納入する玉の確保に余裕のない卸が買い進んでいる」(都内卸)ことが背景にあるようだ。