1年間に家庭で食べるお米の量は、主婦層では「増加」したが、独身者の間では「減少」したと、JA総研が10月10日に発表した。8〜9月にインターネット上で行った「米の消費に関する調査」の結果だ。全国の家庭で調理をする1159人を対象に行った。
家庭で食べるお米の量は過去1年間で「増えた」と答えた人は24%で、「減った」の13%より11ポイントも多かった。残りの63%は「変わらない」。主婦層では「増えた」が28%、「減った」が11%と増加傾向が強まる一方、独身者では男女共に逆転し、女性では2ポイント、男性では5ポイントも「減った」と答えた人が多かった。ただし、独身者で「減った」と答えたのは男女共に40代以上が多く、30代以下では「増えた」の方が上回っており、若年層ほど米食に回帰している傾向だ。
今後のお米の消費については「増やしたい」が12%、「減らしたい」が3%と、増加志向が強い。主婦・独身者ともにほぼ同じ結果だ。JA総研では「独身者はご飯食を増やしたいと思いつつも、手軽な外食や中食に手を出してしまい、なかなか行動に結びつかない。一方、主婦層はそれほど増やしたいと思っていなくとも、経済的な理由で自然と米の購入が伸びているのではないか」(濱田亮治基礎研究部主席研究員)と説明した。
「増やしたい」理由1位は「子供の成長で食事量が増える」46%、2位が「節約したい」40%と大きな割合。相次ぐ食料価格の高騰をうけて、節約志向が高まっている。3位は「自給率を高めたい」22%となり、食料自給率への関心の高まりも見て取れる。
「減らしたい」理由1位は「ダイエット」63%で、2位の「食事量の減少」19%を圧倒した。ただし、「増やしたい」理由にも「ダイエット」という回答が10%あり、JA総研は「消費者の間に、食や健康についての正しい情報が伝わっていないからではないか」(同)と分析している。
JA総研ではお米の消費についての調査を年に数回行っている。平成20年は1月と今調査の2回だった。次回調査は21年1月ごろの予定だが、9月以降の相次ぐ事故米問題の影響が懸念される。 (関連記事)