(財)農業技術協会(藤巻宏会長)はこのほど、64回目となる平成20年度農業技術功労者表彰の受賞者を決定した。農業技術者の活性化と農業技術の発展をめざして、昭和19年度から農業技術、農業経営、技術普及に功績をあげた功労者を毎年表彰している。
受賞が決まったのは次の6人。(敬称略)
▽勝谷範敏(広島県立総合技術研究所農業技術センター技術支援部担当部長、60歳)=宿根花き類の周年安定生産技術の開発と普及
▽烏山光昭(鹿児島県農業開発総合センター茶業部長、59歳)=良質、低コスト茶生産のための土壌窒素濃度診断・施肥技術の確立
▽小村國則(長崎県農業大学校講師、62歳)=暖地バレイショ品種の育成および育種技術の開発
▽遠山良((独)岩手県工業技術センター首席専門研究員兼食品醸造技術部長、59歳)=盛岡冷麺の製造技術開発と普及
▽西村和彦(大阪府環境農林水産総合研究所環境研究部長、52歳)=フェロモンおよび食品廃棄物を活用した家畜生産性向上技術の開発
▽松永和久(全農宮城県本部米穀部生産企画グループ技術主管、60歳)=「ひとめぼれ」等の耐冷性極強水稲品種の育成および耐冷性遺伝資源の評価と利用
松永氏は多年にわたり指定試験地で水稲育種に従事し、「ひとめぼれ」をはじめ18におよぶ新品種を育種した。また、画期的な耐冷性検定技術として「恒温深水法」を開発し、水稲遺伝資源の耐冷性の再評価をおこない、育種素材の選択幅を拡大した。また、耐冷性遺伝子とそれらの集積効果を明らかにするなど、耐冷性育種の発展に大きく貢献したことが受賞につながった。
表彰式は11月14日11時から学士会館本館(東京都千代田区)でおこなう。
小村、松永両氏は、今年度から功労者表彰に設けられた新並河賞も受賞した。