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高齢者施設向け食材などの市場規模は1兆5900億円

−富士経済
(10/21)

 高齢者施設向け食材、宅配サービスなどの平成20年の市場規模は全体で1兆5902億円で、前年より1.5%とわずかだが伸びていることが10月21日、(株)富士経済が公表した調査レポートでわかった。  高齢者施設は病院・診療所、介護老人保健施設、介護老人福祉施設、グループホーム、通所介護・通所リハビリ、有料老人ホーム、高齢者専用賃貸住宅などさまざまあるが、これらの施設に供給される食材は平成20年は1兆4018億円の見込みで、前年比101%。このうち病院・診療所向けは、病院給食の外部委託の増加、病床数の減少などにより減る傾向だが、反対に介護老人福祉施設は老人ホームより入居費用が安く施設数...

 高齢者施設向け食材、宅配サービスなどの平成20年の市場規模は全体で1兆5902億円で、前年より1.5%とわずかだが伸びていることが10月21日、(株)富士経済が公表した調査レポートでわかった。
 高齢者施設は病院・診療所、介護老人保健施設、介護老人福祉施設、グループホーム、通所介護・通所リハビリ、有料老人ホーム、高齢者専用賃貸住宅などさまざまあるが、これらの施設に供給される食材は平成20年は1兆4018億円の見込みで、前年比101%。このうち病院・診療所向けは、病院給食の外部委託の増加、病床数の減少などにより減る傾向だが、反対に介護老人福祉施設は老人ホームより入居費用が安く施設数も増えていて、今後も増え続けるとみられる。高齢者専用住宅も食事サービス付きが増えていて、有望な食材納入先と考えられるという。
 調理済みの食品を供給する病者・介護食市場は1030億円と見込まれる。前年より7.6%伸びていて、在宅介護需要が今後拡大しそうだという。介護食の内容はキザミ・ミキサー食、ソフト・ムース食、菓子・デザートなど、商品バリエーションが多様化している。
 宅配・配食サービスは854億円で、前年比3.5%の伸びが見込まれる。食材宅配の利用者は前期高齢者が多く、完成食宅配は後期高齢者の利用が多いという。供給側にとって、食材宅配は完成食より利ざやが出るが、食材の配達単位は2人分以上からが多く、独居者は利用できない、家庭での調理が必要などの理由で、完成品宅配の方が潜在需要がある。供給側にとっては、カロリーコントロールやライフスタイル、健康状態に合わせたそれぞれのメニューや配送形態などを個別にアレンジする仕組みをつくることで、広い範囲の高齢者が利用する可能性がでてくると、同レポートは指摘している。

(2008.10.23)