農水省は10月23日までに平成17年から19年にかけて発見された農地の違反転用の件数、面積とそれらの事案についての対応状況を公表した。
調査は都道府県から聞き取ったもので、3年間の違反転用件数は全国で2万4002件にものぼり農地面積は1765haだった。このうち2万2000件あまり、面積で1564haが違反状態が解消されたと集計している。
しかし、違反事案に関して都道府県が勧告などを実施したのは250件に過ぎず、2万2000件近くが「追認許可」となっている。面積では1502ha。件数では91%。面積では84%が追認許可によって「違反状態が解消」されているのが実態で、勧告による現状復帰などはほとんどなされていないことが明らかになった。
石破農相は21日の会見で「このことについて、私は、相当の問題意識を持っている」と話し、「罰則を強化することで抑止機能が働くのか。どうして、こういう違反転用が起こるのか、というところまでさかのぼって考えないといけない話」と指摘、「農地は農地として使われなければならないということについて、相当に根源的な議論が必要」などと話した。