世界の70か国で計3億7000万人にのぼる5000以上の先住民グループのほとんどは、極地や山岳地帯、熱帯地帯、湿地帯など気候変動の影響をまっさきに受ける地域で暮らしている。また、ほとんどの国で土地や人権に関する保障を十分に受けることができず、貧困や飢えに直面しながら暮らしている。その一方で、ペルーでは寒冷が厳しかった年に、先住民が伝統的な手法で栽培したジャガイモだけが収穫に結びつくなど、世界の食料安保障を考える際に、先住民の知恵・技術に学ぶべきことがある。
「国際先住民の日」(8月9日)に向けFAO(国連食糧農業機関)は、気候変動が各地の先住民に大きな影響をおよぼす一方で、過酷な環境のなかで生き抜いてきた先住民の知恵・技術が気候変動への対応にあたって参照されるべきことに注意を促したと、(社)国際農林業協働協会(JAICAF)が発行している「FAO Newsletter」10月号が紹介している。