農水省と(社)全国米麦改良協会が平成15年4月から20年8月までに非食用に処理した国産カドミウム含有米は、適正に処理されていたことが調査の結果確認されたと、農水省が10月31日公表した。
昭和45年7月、厚生省(当時)の微量重金属調査研究会から「1ppm未満の玄米(精白米は0.9ppm)は人体に有害であるとは判断できない」との見解が出され、同年10月、厚生省は食品衛生法にもとづき、玄米1ppm以上のカドミウム米の販売を禁止した。
農林省(当時)は45年7月時点で、消費者の不安に配慮し、0.4ppm以上1ppm未満のカドミウム米は食用として流通させないことを決め、以後は政府が買い入れて合板用のりなど非食用に処理している。16年度からは全国米麦改良協会が引き継いだ。不正規流通防止のため、現物は粉砕・着色して買い受け人に引き渡す。
調査結果では、農水省、米麦改良協会が加工工場に粉砕・着色の変形加工を委託した計1万6654tと、加工工場から納入された製品の製造数量は一致、変形加工が適正に行われたことが確認された。また、粉砕・着色された製品は約1万2000tが販売され、買い受け人から需用者の合板工場に適正に引き渡されていることが、帳票類の点検で確認されたという。