JA役職員の退職金原資の積み立て・運用を行っている(財)全国農業協同組合役職員共済会(JA全国共済会、会長理事:園田俊宏・JA熊本中央会会長)は11月6日、理事会・評議員会を開き20年度上期仮決算を承認した。
上期仮決算では、JAの剰余金にあたる一般正味財産の上期増加額は当初計画の3億円を上回って4億円を計上した。
職員の退職金原資を積み立て、非課税となる「制度」の給付還元利率は1.10%を実現。また、役員の退職慰労金や職員の財産形成目的で積み立てる「施設」は1.35%とそれぞれ前年度と同率を確保した。下期も同利率を適用する。
JAの加入率は89.2%で、「制度」への加入による退職金原資積み立てにかかる節税効果は加入団体計で42億円になるという(20年4月〜9月)。
上期の退職給付金額は236億円で総資産額は5001億円となっている。資産運用は有価証券が87%を占めるがその6割が国債、地方債、政府保証債で、有価証券の98.5%がA格以上の投資的確銘柄となっている。サブプライム関連商品、株式は保有していないため今回の金融危機による損失計上はなく、また、金利低下など不測の事態に備えた準備金は上期の退職給付金支給額を超える242億円を確保。責任準備金の5.21%を占めリスク対応力を強めた。
今後は新たな700万口を目標とする「契約口数拡大運動3か年計画」を展開するとともに、事業基盤強化準備金積立計画に基づく、着実な準備金積立てを実行するとしている。