(社)農協流通研究所は、10月30日〜31日の両日、豊島区南大塚の「ホテルベルクラシック東京」において、第14回「JAグループ自動車事業セミナー」を開催した。 ◇
先の北海道・洞爺湖サミットの合意事項では、2050年までに世界全体の温暖化ガス排出量を少なくとも50%削減することを掲げた。中期目標の温暖化ガス排出量規制では、日本は2020年に2005年比14%削減を示した。EUは2020年に1990年比20%削減を提示するなど、積極的だが、米国は2025年までに排出量をピ−クアウトする、と後ろ向きな姿勢を見せた。 次世代エネルギー車としては、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)、バイオ燃料車(FFV)などがある。 その中で、大気汚染対策、CO2排出量低減、石油依存度低減、燃料の入手性など、いずれも電気自動車が優れているが、充電時間が長いこと、走行距離が短いこと、車両価格が高いこと、などの短所がある。 三菱自工では、北海道・洞爺湖サミットに関連したイベントで、同社のEV車を使い「CO2削減 EV洞爺湖キャラバン」を行ったが、東京プリンスホテル前をスタートし、洞爺湖まで7日間で860kmを走破した。走行にかかった電気代は1700円(ガソリン車だと1万円)、CO2排出量は、約35kg(ガソリン車だと約175kg)と、圧倒的な環境性を示した。 現状では1回の充電で140kmの走行が可能だ。公営駐車場やイオンのショッピングセンターなどに設置されている急速充電器を使えば、1回の充電が30分でできる。しかし現状では、急速充電器の設置ヵ所があまりにも少ないという。 家庭のコンセントからも充電できる利便性はあるが、一般家庭の通常の100Vコンセントでは充電に14時間、200Vに付け替えても7時間かかるなどの問題点もある。 ただ技術革新により、2020年には性能が3倍、コストが1/10倍という目標数値もある。低価格で高性能の電気自動車の登場は、近未来の実現可能な夢であるだろう。
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