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「科学に基づいた正確な情報を消費者へ」

−食の信頼向上をめざす会 (11/11)

長村洋一教授 鈴鹿医療科学大学 保健衛生学部     消費者と食品事業者の間で科学的根拠に基づいた“健全な関係”を作ろうと9月に結成された「食の信頼向上をめざす会」は11月11日、第1回のメディアとの情報交換会を開いた。 (関連記事)    「日本における食の安全・安心についての誤解は、全て『量の概念』と『モラル』の欠如による」と講演したのは、鈴鹿医療科学大学で食のリスクコミュニケーションを専門に研究している長村洋一教授だ。ポジティブリスト制度制定の経緯を説明しながら、一律基準0.01pp...

長村洋一教授
長村洋一教授
鈴鹿医療科学大学
保健衛生学部
    消費者と食品事業者の間で科学的根拠に基づいた“健全な関係”を作ろうと9月に結成された「食の信頼向上をめざす会」は11月11日、第1回のメディアとの情報交換会を開いた。 (関連記事)
    「日本における食の安全・安心についての誤解は、全て『量の概念』と『モラル』の欠如による」と講演したのは、鈴鹿医療科学大学で食のリスクコミュニケーションを専門に研究している長村洋一教授だ。ポジティブリスト制度制定の経緯を説明しながら、一律基準0.01ppmやADI(1日摂取許容量)の数値がいかに厳しいものであるかを説明し、「一律基準の2倍の残留農薬の入ったお米を20年間食べ続けるよりも、1日15gの食塩を摂る方がはるかに健康に悪い。消費者が科学的根拠に基づいた判断をできるように、メディアは繰り返し、正確に情報を伝えてほしい」と要望を述べた。また「違反した事業者に対する罰則規定が軽すぎる」と、法整備の必要性も語った。
    フリーディスカッションでは、「許可量、ADI、TDIなど多くの数値があり、混乱することが多い。どうすれば一般読者に正確に伝えられるか」、「欧州諸国の数値設定はもっと大ざっぱで、一般にも分かりやすい」、「事業者や行政は明確な科学的根拠があるなら、あいまいな受け答えをしないできっぱりと断言するべきだ」などの意見が出た。
    「めざす会」では今後も定期的に情報交換会や現地視察などを開く予定。

(2008.11.12)