農業経営の管理支援は担い手の経営安定とともにJA事業の基盤強化にもつながると、平成18年の第24回JA大会で決議された。確定申告の記帳代行や節税対策などからはじめ、段階的に経営分析や経営コンサルタントも行うのが目標で、現在31府県が取り組んでいるが、県単位で内容や進捗状況に差があり、二極化がすすんでいるのが現状だ。今研究会には全国の中央会やJAなどから約200人が集まり、事例報告などを行った。
事例報告は茨城、長崎、鹿児島の3県の中央会と、それぞれの県から進んだ取り組みをしているJAが行った。 茨城では節税や事務手続きの軽減などメリットを強調して記帳代行への参加を呼びかけ、現在県内10JAで305世帯を手がけている。JA常総ひかりでは試験的に、破綻寸前の農家の経営分析や改善指導を行うなど、すすんだ取り組みも行っている。 JA長崎県中央会農業振興部の草野幸治調査役は「新しいことをやると前例がない、メリットが不透明、手法がわからないなど、10ぐらいダメ出しがある。経営管理支援の立ち上げにも時間がかかった」と初期段階の苦労などを語り、JA鹿児島中央会総合対策部農家経営対策課の瀬戸口久人課長は「現場では簡潔に分かりやすく、担当職員の負担にならないシステム作りが必要。青色申告書の作成支援などの第一段階、経営コンサルを行う第二段階と、少しずつステップアップしてやっていく」と、実際の取り組み方を話した。 2日目にはさらなる事例報告や、農業経営管理支援DVDの上映などを行った。 |