中国産等の原料を使用したサトイモなどの野菜冷凍食品に「九州産」「国産」などと表示して販売したのは違反だとして、農水省は11月14日、キャセイ食品(株)(本社:東京都中央区)に対し、JAS法にもとづき改善を指示したと公表した。
キャセイは同社長崎工場で、加工した国産原料に自ら仕入れた中国産の野菜冷凍食品(サトイモ、ブロッコリーなど10品目)や、アメリカ産の野菜冷凍食品(グリーンピース)を混入した野菜冷凍食品を新たに製造した。そのうえで、この商品の包装や原料原産地表示欄に「九州産」「国産」など事実と異なる表示をして一般消費者向けや加工食品原料として業務用に販売していたことが、農水省の調べで分かった。
キャセイは、この野菜冷凍食品を少なくとも平成20年1月から同年10月14日まで製造、販売していた。
国産原料に外国産野菜冷凍食品を混入し、新たに野菜冷凍食品(サトイモ他8品目)として製造したのは約248tで、一般消費者向けとして食品卸売業者等10社に販売していた。また、同様に野菜冷凍食品(サトイモ他9品目)約450tを製造し、業務用として食品卸売業者等16社に販売していた。混入した外国産原料は、販売量の合計約698tのうち概ね50%の約348tにおよぶ。
キャセイは産地を偽装するため、平成20年3月まで長崎県佐世保市のサンチ(株)と平成20年10月まで福岡県柳川市の田中食品に、自ら仕入れた外国産野菜冷凍食品を、自ら手当てした無地の段ボール箱に詰め替えさせていた。また、平成20年2月まで、田中食品にキャセイが製造した国産品と表示した小売用小袋に小分けさせていた。
サンチの違反は平成20年4月1日からの業者間取引での品質表示基準の適用前だが、キャセイの違反につながったとして九州農政局が厳重注意し、公表した。田中食品に対しては県域業者のため、福岡県が改善を指示した。