ダイエットや健康のため、また価格上昇や安全性を主な理由に、今後は肉の食事を「減らす」と考える人が14%で、「増やす」の4%を大きく上回り、特に輸入肉については「減らす」が18%に対し、「増やす」はわずか1%しかなかったという「肉の消費行動に関する調査結果」を、JA総研が11月17日に発表した。調査は8月下旬〜9月上旬にインターネットで、全国の1231人を対象に行った。
肉類を減らす理由は「ダイエット」が5割、「価格上昇」が2割など。一方、「ダイエットによい」「安い」などの理由で、野菜を「増やす」人は46%、鮮魚が27%、米が12%と購入意欲が強い。それぞれ「減らす」と答えた人は1〜2%ほどしかなく、健康ブームや消費の冷え込みなどを背景に、肉類全体の需要が減少傾向にある。
もっとも減少傾向が大きいのは牛肉だ。国産の豚肉と鶏肉は、「減らす」と過去1年間で「減った」と答えた人と、「増やす」「増えた」と答えた人がほとんど同数だったが、国産牛肉では若干「減らす」意向が強い一方、実際に「減った」人は29%で、「増えた」の9%を20ポイントも上回る。「外食を控え内食回帰がすすむ中、使いまわしの利く豚肉やヘルシーなイメージの強い鶏肉が支持されている」(JA総研、濱田亮治主席研究員)。
◆重視される安全性
安さやカロリー以上に、肉を購入する決め手となっているのが安全性だ。
輸入肉全般については「減らす」18%「減った」25%で、「増やす」1%「増えた」5%で、それぞれ減少傾向が強く出た。輸入肉を減らす理由に「安全性が気になる」とした人が5割を超え、「特売」や「特定の国で生産されているもの」以外は輸入肉を敬遠する意向が強く出た。精肉を購入するときに重視すること1位は「国産であること」が6割近く、他にも上位の意見では「鮮度がよい」「品質と価格のバランス」などがある。売り場に求めるサービスでも、「生産履歴の詳細」や「生産者の紹介」が4割ほどあり、購入時に「原産地を確認する」人は9割を超えた。
安全性が注目されるきっかけとなったギョーザについては、「家庭で手作り」「冷凍食品など加工品を購入」がどちらもほぼ40%で同数だが、加工品を購入している半数以上が「製造国を気にする」と答えた。そのほか、手作り派が多い肉料理はハンバーグ(66%)、とんかつ(53%)など。
購入場所ではスーパーが8割を超えて圧倒的だが、生協、精肉専門店、農協などを利用する人の理由は「信頼できるお店だから」が5割ほどあり、ここでも安全や安心への関心の高さが表れた。