ＪＡ全農は11月20日、畜産農家の経営支援策としてトンあたり2000円を支援する特別対策の実施を発表した。
    ＪＡ全農、系統飼料会社が供給している配合飼料「くみあい飼料」の購入畜産農家で、養鶏、養豚、肥育牛の全畜種で12月分の購入数量を対象に全農が畜産農家に支出する。ＪＡ全農によると前年同期比実績から総額約14億円の支出となる見込みだという。
    ＪＡ全農では飼料原料穀物の高騰による配合飼料価格が値上がりしたことから、昨年４月以降、畜産農家の生産性向上対策や消費者への理解醸成運動などに取り組んできた。しかし、コスト上昇分の適正な価格転嫁は進まず、最近では逆に年末年始の需要期に向かうにもかかわらず食肉、鶏卵の相場は低迷し農家経営は厳しい状況になっている。現在は米国発の金融危機による円高・ドル安やトウモロコシ相場の下落で原料価格は一時より値下げの状況にあるが、値上がり前にくらべてトンあたり2.5万円ほどの負担増と依然として高い水準にある。
    こうしたことから生産コストに対する支援策として打ち出したもの。12月の出荷実績がまとまり次第、ＪＡを通じて畜産農家に支出される。時期は地域のよって差はあるが来年１月末ごろからになるという。