農業者、地域住民、NPO法人などが協力し、農業生産との調和をはかりながら取り組んでいる自然環境の保全・再生活動のなかから、優良事例を表彰する「田園自然再生活動コンクール」(農水省主催)の20年度受賞団体が決まり、農水省が21日発表した。
今年は全国33都道府県から70事例の応募があり、進土五十八東京農業大学教授(=審査委員長)など13人の審査委員が選考した。表彰式は、平成21年1月16日午後1時から国立オリンピック記念青少年総合センターで開く田園自然再生セミナーの中で行う。
受賞団体は次の通り。
▽農水大臣賞=伊尾(いお)・小谷(おたに)たえクラブ(広島県世羅町)
▽農水省農村振興局長賞=長沢環境保全の会、長沢ふなっ子の会(滋賀県米原市)
▽環境省自然環境局長賞=新山(にいやま)山野草等保護育成会(長野県伊那市)
▽子どもと生きもの賞=本吉(もとよし)町立大谷(おおや)中学校(宮城県本吉町)
▽パートナーシップ賞=特定非営利活動法人五泉(ごせん)トゲソの会(新潟県五泉市)
▽オーライ!ニッポン賞=北小塩(きたおしお)友人ピア(ゆーとぴあ)環境保全推進協議会(宮城県大崎市)
▽朝日新聞社賞=特定非営利活動法人新里昆虫研究会(群馬県桐生市)
農水大臣賞の伊尾・小谷たえクラブは、農家、自治会、小学校、博物館、大学等が連携し、希少種のダルマガエルの保全や、生活史に配慮した営農による「ダルマガエル米」の生産に取り組んでいる。また、やはり希少種のギフチョウの生息環境保全のため、食草のミヤコアオイの植栽・管理活動を行い、小学校の環境学習を通して地域全体に「たえ(田んぼ)っておもしれえ」と、農と生き物の暮らしを結ぶ楽しさを伝えている。