共栄火災(株)(荒川勝利社長)は11月19日、20年度中間決算を公表した。正味収入保険料は814億円1000万円で前年比2.2%減だったが、料率改定で減収を招いた自賠責保険を除いた正味収入保険料は0.2%の減収だった。
正味支払保険金は自然災害の影響が減ったものの、自動車保険、傷害保険の支払保険金が増えたことや大口障害の支払いなどで472億円となり、正味損害率は63.3%と、前年より2.9%増えた。正味事業費はコスト増で11億円増えた。正味事業比率は39.6%で、前年中間期比2.3%増。
正味損害率、正味事業費率が上昇したことなどで、収支残率は2.8%減、コンバインド・レシオは102.8%と前年より5.1%増えた。保険引受利益は2億円で、前年中間期より2億円減った。
損益状況の特徴は次の通り。
金融市場混迷の影響で、有価証券評価損58億円を計上したため、資産運用粗利益がマイナス2億円(対前年中間期比46億円減)となった。経常利益はマイナス11億円で、対前年中間期比53億円減った。価格変動準備金21億円を取り崩したことで、特別損益21億円を計上した結果、当期純利益は3億円(対前年中間期比12億円減)となった。
(用語解説)
○コンバインド・レシオ=正味損害率と正味事業費率とを合算したもので、合算率と呼ばれる。損害保険事業を運営するうえで保険料収入に対して保険金支払いや事業費の支出の割合が小さいほど収益力は高くなる。100%超は、収入よりも支出の方が大きいことを示す。