JA共済連(今尾和實理事長)は、このほど平成20年度上半期の業績をまとめた。
これによると新契約高は、生命共済では件数ベースが79万件(前年同期比111%)、保障共済金額ベースが9兆477億円(同82.8%)となっている。これは今年4月に新設した一時払生存型養老生命共済が伸びる一方で、終身共済が減少したためとJA共済連ではみている。建物更生共済については件数ベースで47万件(同94.7%)、保障共済金額ベースで7兆2475億円(同90.3%)となっている。生命共済と建物更生共済の合計は、件数ベースで127万件(同104.3%)、保障共済金額ベースで16兆2953億円(同86.0%)となっている。
また、短期共済については、件数ベースで1336万件(同101.2%)、共済掛金ベースは主に自賠責共済金掛金率の引き下げによる影響で1682億円(同93.9%)となっている。
年金共済は、年金年額ベースで787億円(同80.3%)となっている。
そして、生命共済・建物更生共済合計の保有契約高(保障共済金額ベース)は、19年度末より5兆6663億円減少して、335兆2730億円となっている。これは依然として満期到来契約が高水準で推移していることが主たる要因だとJA共済連ではみている。また年金共済の保有契約高(年金年額ベース)は1兆9537億円とほぼ19年度末の水準を維持している。
総資産は、43兆6429億円(前年度末比100.3%)、うち運用資産は42兆978億円(同99.9%)となっている。
主な経営指標を見ていくと、基礎利益は利差損が254億円減少したこと、自然災害が少なく危険差益が224億円増加したこともあって前年同期より448億円増の2536億円(前年同期比121.4%)。経常利益は1550億円(同92.7%)となっている。
また経営の健全性をみる指標でもある実質純資産額は7兆1663億円(同95.3%)と厳しい金融環境の影響もあってやや減少したが、総資産に占める割合が16.4%と依然高い水準にあり、健全な経営を維持している。さらに支払余力(ソルベンシー・マージン)比率も860.8%(前年度末差△18.3%)と高い水準を維持している。
共済・保険業界を取り巻く環境は、金融環境の悪化もあって非常に厳しいものがあるが、そのなかでもJA共済は健全な経営を維持しており、組合員・利用者に引き続き安心を提供しているといえる。