食料・農業・農村政策審議会食糧部会(座長:林良博東京大学大学院教授)は11月28日、同日農水大臣から諮問された米穀の需給および価格の安定に関する基本方針の変更について審議、諮問案通り答申することを了承した。
この結果、平成21年産米の全国の需要見通しは815万tとなり、815万tが21年産米の生産目標数量となる。目標数量は平成20年産と同数となった。換算面積も20年産と同数の154万haとなる。需要量の算定は平成16年に採用された方式による。平成8/9年(8年7月から9年6月までの1年間)から直近の19/20年まで10年間の、全国の需要実績を用いてトレンド(回帰式)で算出すると824万tとなるが、毎年変動幅が生じるため、824万tから過去5年間の変動幅平均値9万tを差し引いた815万tを需要量とした。
都道府県別の需要量に関する情報(=都道府県別生産目標数量)は、生産調整の目標達成県と目標未達成県の不公平感を是正するため▽20年産米の目標達成県については20年産米の目標より減少しない(=全体で4万tの上乗せ)▽20年産米の目標未達成県については、20年産米の目標より増大しない(=全体で4万tの削減)よう調整を行い、815万tとする。
◆主食用米等の需要量は855万トン
28日の審議会の諮問で示された平成19/20年(19年7月から20年6月までの1年間)の主食用米等(加工用米を除く)の需要実績は855万tだった。小麦製品を含めた食料品全般の価格が上昇するなかで、比較的価格が安定している米に需要がシフトした。855万tの中心となる19年産米の供給数量は、生産量870万5000tから加工用米等16万5000tと政府買い入れ34万tを差し引いた820万1000t。民間在庫米22万8000tと政府米11万7000tを供給した。
また、20/21年(20年7月から21年6月までの1年間)の需要量も、米需要へのシフトの状況が続くと見られ、855万tとした。20年産米、民間在庫米、政府米を供給する。