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リン資源のリサイクル推進へ産学官で協議会供給不安に対応

    日本はリンの全量を輸入に頼っているが、リン鉱石の価格が高騰し、産出国の資源囲い込みもあって先行き不安がいっぱい。リンのリサイクルを迫られているが、関係分野が広いため産学官の協力による一体的で総合的な取り組みが求められる。このため産学官の関係事業者らが集まり、全日本のレベルでリサイクルを戦略的に協議する場として「リン資源リサイクル推進協議会」が設立される。    発起人は(財)日本肥糧検定協会などの団体代表や大学教授ら7氏。設立総会は12月18日、東京・神田の学士会館で開く。事務局は(社)日本有機資源協会。&...

    日本はリンの全量を輸入に頼っているが、リン鉱石の価格が高騰し、産出国の資源囲い込みもあって先行き不安がいっぱい。リンのリサイクルを迫られているが、関係分野が広いため産学官の協力による一体的で総合的な取り組みが求められる。このため産学官の関係事業者らが集まり、全日本のレベルでリサイクルを戦略的に協議する場として「リン資源リサイクル推進協議会」が設立される。
    発起人は(財)日本肥糧検定協会などの団体代表や大学教授ら7氏。設立総会は12月18日、東京・神田の学士会館で開く。事務局は(社)日本有機資源協会。
    リンは化学肥料、金属の表面処理、各種の触媒や化成品、食品添加物の原料として大量に使われている。
    しかしリン鉱石は偏在し、米国、中国、モロッコの上位3ヵ国が世界の約3分の2を採掘している。
    一方、穀物需要の増加やバイオエタノール生産などでリン酸質肥料の需要が増大してリン鉱石の価格は急騰。このままリンの需要が増え続ければ今世紀後半にはリン鉱石が枯渇するというシナリオもある。
    リサイクルはすでに都市下水などからリンを回収する技術がいくつも開発されているが、それを効率よく再利用する技術とシステムの開発は遅れている。
    リン回収の事業化を推進すること、再利用を進める事業者間の連携といった課題も多い。このため協議会は行政のタテ割りや民間企業間の壁を越えてリサイクルの実現を目指す。
    設立総会に先立ち18日13時から講演会がある。講師は大阪大学の大竹久夫氏と東北大学の長坂徹也氏。次いで「リン資源リサイクル実現のために何をなすべきか」をテーマにパネルディスカッションを行う。パネラーは日本肥料アンモニア協会代表や農水省担当者、学者ら。コーディネーターは大竹氏。

(2008.12.01)