挨拶する赤松光理事長(中央) |
生協連合会のコープネット事業連合(赤松光理事長)は、コープネットエリアである茨城・栃木・群馬・千葉・埼玉・東京・長野・新潟の8都県のJA全農県本部と「エリア内地産地消」「エリア内交流」を促進するために「コープネットエリア8都県JA連絡会」の結成のつどいを12月4日、東京・大手町のJAビルで開催した。
会場には、8都県の生協の代表と全農都県本部代表、赤松光理事長をはじめとするコープネット関係者、秋田俊毅常務をはじめ全農関係者が出席した。
赤松理事長は「食料の自給率問題でこのままいくと本当に健康な食料が手に入れられるのだろうかという問題意識」が生協組合員にあること。さらに「食と農の距離がどんどん遠くなっており、この距離を縮め相互理解を進めないと、日本の食料生産を支えることはできない」。そしてコープネットのエリアは、「農産物の大生産地であると同時に大消費地でもあるので、消費者と生産者を結び付けるにはもっとも適している地域」だということから、この連絡会を立ち上げたと挨拶した。
秋田俊毅常務 |
秋田常務は「30〜40年前まではいかに大量に作るかが生産者の悲願だったが、生産調整などによって、どうしたら消費者に喜んでもらえるかを生産現場では考えている。それに加えて食べることの大切さを伝えることも非常に重要になっている。そのためにこの会で継続して力を入れていきたい」と述べた。そして高齢者の多いJAグループと若い人の多い生協が「一緒になって新しいライフスタイルを考えていければいい」とも語った。
コープネット加盟の生協と全農をはじめとするJAグループはいままでにさまざまな形で提携してきていたが、2006年の長野、08年の茨城、千葉で、各地域生協と全農県本部およびコープネットによる協同組合間提携が締結されてきている。当日には茨城・千葉・長野における実践報告もされたが、そうした経過をふまえての今回の連絡会結成だといえる。
この連絡会の目的について、五島彰コープネット執行役員・商品事業本部長は「地域社会の活性化、地域農業の振興をはかり、社会への貢献、日本の自給率向上をめざす」ことを第一にあげた。そして、この8都県を一つのエリアとして考え、「エリア内地産地消」「エリア内」交流を進めていくとした。
現在、コープネットの青果物産直品取扱高は264億円でそのうち「エリア内地産地消」は約97億円だがこれを130億円、産直の5割にまで高めることが目標だとも語った。
また、前日の3日には産直産地との「産地協議会」も開かれており、文字通り大産地と大消費地に「消費者と生産者を結ぶ懸け橋」が架けられたといえよう。後は、関係者が口を揃えて強調したように、着実に確実に一歩一歩前に進めていく努力を怠らないことだろう。