農政・農協ニュース

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消費者・実需者のニーズに応えるきめ細かな保管・品質管理を
農業倉庫保管管理技術研修会

保管管理技術の向上をめざして全国4会場で

修了証を手渡す久寝理事長 農業倉庫は、JAグループの米麦等の共同販売の重要な拠点として、現在、全国に約7300棟、収容力は約630万tを有している。最近は農業倉庫の大型化、低温化などの整備が進んできているが、依然として小規模で老朽化した常温倉庫も数多く存在している。また、JAの合理化の一環として倉庫担当者の兼務業務が増えるなど、保管管理体制の弱体化も懸念される状況にある。 一方で、消費者からは食の安全・安心を求めるニーズが高まり、米穀についても栽培履歴はもとよりカントリーエレベーターや農業倉庫における保管管理履歴の開示が求められている。高品質米志向が強まるなかでは、農業倉庫における米麦の保管...

修了証を手渡す久寝理事長
修了証を手渡す久寝理事長

農業倉庫は、JAグループの米麦等の共同販売の重要な拠点として、現在、全国に約7300棟、収容力は約630万tを有している。最近は農業倉庫の大型化、低温化などの整備が進んできているが、依然として小規模で老朽化した常温倉庫も数多く存在している。また、JAの合理化の一環として倉庫担当者の兼務業務が増えるなど、保管管理体制の弱体化も懸念される状況にある。
一方で、消費者からは食の安全・安心を求めるニーズが高まり、米穀についても栽培履歴はもとよりカントリーエレベーターや農業倉庫における保管管理履歴の開示が求められている。高品質米志向が強まるなかでは、農業倉庫における米麦の保管・品質管理は、消費者・実需者の要望に応えるよりきめ細かな対応が求められている。
このため、JA全農と農業倉庫基金では毎年、JAおよび県本部・県連等の農業倉庫担当者を対象に、保管管理技術の向上ならびに保管管理体制の強化をはかるための技術研修会を開催している。
今年も次の全国4会場で研修会が開催された。
東日本I(北海道・東北) 11月27〜28日 福島市
東日本II(関東・甲信越) 11月20〜21日 新潟市
中日本(東海・北陸・近畿・中国・四国) 11月13〜14日 大阪市
西日本(九州) 12月4〜5日 佐賀市
4会場合わせた受講者は185名の多数にのぼった。

◆穀温・水分管理の重要性など充実した研修内容

11月20〜21日の東日本IIの新潟会場では、第1日目は開会挨拶の後、全農米穀部から最近の「米穀情勢」について報告がされ、次いでビデオ「米の保管と適切な管理」が上映された。昼食休憩をはさんで午後は、農業倉庫基金から「米麦の品質管理」「米麦保管管理の実際」について講義がされた。ここでは、(1)保管米麦の品質変化の要因、(2)穀温・水分管理の重要性、(3)適切な保管管理の留意点などが強調された。
その後、米の卸売会社担当者から「実需者・消費者の求める米」について、農業倉庫基金から「農業倉庫受寄物損害補償制度」について講義があり、第1日目を終了した。

◆研修内容の理解度を確かめるテストも実施

翌21日の第2日目は「農業倉庫業法の概要と農業倉庫の業務」を農業倉庫基金が講義した後、「貯蔵穀物害虫・ネズミの防除」について国際衛生(株)技術研究所が講義した。コクゾウムシなど米麦の5大害虫の生きたサンプルを使った講義で、分かりやすいと受講者には好評だった。その後、日本穀物検定協会が「米穀の入庫時の品質状況と保管管理上の留意事項」を講義し、講義がすべて終了した。
そして午後は、いままでの講義への質問や意見交換を行った後、農業倉庫の保管・品質管理関係の理解度を確認する意味を含めて、20数問のテストを実施した。このテストは昨年から実施されているもので、テスト終了後、各問題の解答内容について説明があり、さらに理解を深めることとなった。
そして最後に、久寝農業倉庫基金理事長から各受講者に「修了証」を手渡し、研修会を終了した。

(2008.12.08)