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食品ロス削減策示す

−農水省の検討会 (12/10)

    食品関連事業者や一般家庭から排出される食品廃棄物には、本来食べられるにもかかわらず廃棄されているものが年間500万〜900万トン含まれている(農水省推計)。食品ロスの削減に関連事業者や消費者がどう取り組むべきかについて検討してきた農水省の食品ロス削減に向けた検討会(座長:牛久保明邦東京農業大学教授)は、12月10日に開いた最終となる第6回会議で報告書をまとめた。    削減に向けた取り組みが効果を発揮するためには、食品関連事業者と消費者が「食べ物に感謝の心を持ち、残さず食べる」といった習慣を身につけ、食に関...

    食品関連事業者や一般家庭から排出される食品廃棄物には、本来食べられるにもかかわらず廃棄されているものが年間500万〜900万トン含まれている(農水省推計)。食品ロスの削減に関連事業者や消費者がどう取り組むべきかについて検討してきた農水省の食品ロス削減に向けた検討会(座長:牛久保明邦東京農業大学教授)は、12月10日に開いた最終となる第6回会議で報告書をまとめた。
    削減に向けた取り組みが効果を発揮するためには、食品関連事業者と消費者が「食べ物に感謝の心を持ち、残さず食べる」といった習慣を身につけ、食に関する意識改革をする必要があるとしたうえで、食品製造業者、流通業者、外食産業、消費者、国がそれぞれ取り組むべき課題を挙げた。
    食品製造業者、流通業者には消費期限、賞味期限を科学的、合理的根拠にもとづいて決め、必要以上に短くならないよう設定することを求めた。また、流通段階では、返品や廃棄を減らすため、期限内に見切り販売や値引き販売をさらに進める必要があるとした。フードバンク活動の利用については、多くの食品関連事業者が参加しやすいシステムとするための環境整備が必要とした。
    外食産業では客の好みや食べたい量に合わせた料理の提供が、食べ残しを減らす効果が大きいとして、ポーション(盛り=小盛り、普通盛り、大盛りなど)の多様化や客が注文しやすい環境作りをするべきと指摘した。また食べ残しは、食中毒など食品事故は自己責任としたうえで、客が持ち帰られるよう検討することが必要とした。
    消費者は、賞味期限と消費期限を正しく理解して消費することが重要で、賞味期限は「おいしく食べられる期限」であり、賞味期限をすぎてもすぐに食べられなくなるわけではなく、見た目やにおいなどの五感で判断することが重要だとした。また、買いすぎや、保管しているうちに使いきれずに廃棄するような無駄を出さないために期限内の調理や消費を心がけることが必要だとも指摘している。
    農水省は今回のとりまとめの結果は義務化しないが、町田総合食料局長は「一過性のものにせず、食品ロス削減の取り組みに努めて行きたい。この報告書を出発点として、今後情報提供、事例紹介して行く」と話した。

(2008.12.15)