食料・農業・農村政策審議会、林政審議会、水産政策審議会の各地球環境小委員会は12月12日合同会議を開き、農林水産分野でどれだけ二酸化炭素を減らしたかがわかる省CO2効果の表示のあり方や具体化に向けた指針の中間とりまとめを行った。
農水省は、京都議定書6%削減約束の達成に向けて地球温暖化対策を強力に推進し「省CO2効果の表示」を進めて、低炭素社会の構築に役立つ農林水産業を実現したいとしている。
「省CO2効果の表示」を進めるのは、地球温暖化対策に貢献する農林水産業とするためには、生産者が自らの生産段階での排出削減努力を伝えることに重点を置いて、温室効果ガス排出削減効果の表示を進めて行くことが最も有効的との判断にもとづくもの。
省CO2効果の表示の手法には、▽一定の標準値に対する排出削減量の割合を温室効果削減効果として表示▽商品単位や事業者ごとなどに温室効果ガス排出量を表示▽木材商品の炭素貯蔵量を表示▽バイオマスの化石資源代替効果を表示、などが考えられるとしている。
表示する場所は、消費者等への訴求力を最大限に上げるという点を踏まえ、値札、店頭、ホームページ、パンフレット、環境報告書、QRコード(=2次元バーコードの一種)などを農林水産業者が選ぶ。
とりまとめでは、今後、表示を進めるためには、代表的な農林水産物等で農水省がガイドラインを作成し、省CO2表示の算定、表示を試行して行くことが必要だとしている。消費者に対しては、省CO2表示の趣旨や表示内容に関する正しい知識の普及が必要だとも指摘した。また、省CO2表示にかかるコストについては、最終的には生産者、消費者の応分の負担を期待するとしている。
農水省はこの中間とりまとめに対するパブリックコメント実施後、平成21年3月までに指針として決め、来年度から順次実施していく予定だ。