質疑に応えるJA全中の茂木会長(東京・新橋の共栄火災ビル会議室) |
協同組合懇話会(松旭俊作会長)の定例研究会は12月17日、JA全中の茂木守会長を講師に招き、「明日のJAを語る」をテーマにJAグループをめぐる課題や抱負を聞いた。懇話会として全中会長の講演を聞くのは茂木会長就任(8月)後初めて。約60人が参加。 茂木会長は講演の中で金融・経済危機は「市場主義の失敗だと思う。利益追求だけに走るやり方が破たんした」と指摘。農業への関わりが心配だが「我々としては盤石の組織を目指す」と決意を示した。
経済財政諮問会議については「農協バッシングがまた出ている。建設的意見なら聞くが、農協無用論など、いわれなき批判には断固反論していく」として農業者の農協利用率が非常に高いことなどを挙げた。
来年のJA全国大会議案については“100年に1度の金融危機”の中で「今までと同じようなことを書いていてはダメだ」という構えで策定しているとした。
このほかWTO農業交渉対策や総選挙見通しなども語った。
講演のあと、参加者からは「市場主義の失敗という指摘には全くの同感だ。協同組合の存在を改めて評価しなければならない。その方向での強力なリーダーシップ発揮に期待する」などのエールが贈られた。
同懇話会は協同組合運動に情熱を持つ同志の集いで農協、漁協、森組、生協、信金協などの組合関係者が加入。正会員約280人。