1月末に起こった「中国製冷凍ギョーザ中毒事件発生」を、農業サイド・消費者サイドともに2008年のトップニュースに選んだと、(社)農業開発研修センター(会長理事、藤谷築次京大名誉教授)が発表した。
農業サイドの選ぶ1〜5位と消費者サイドの選ぶ1〜5位は、順位は違えど全く同じニュースを選んでいるのが今年の特徴。このような結果は過去に類がない。両サイドともに食の安全や海外依存の問題を深刻に受け止めた1年だったといえる。一般の10大ニュースがそのまま農業10大ニュースになったと考えられる。
JAのトップからの回答のみでは、1位が「アメリカ発の金融危機による農業・農村不況」だった。
この結果を受けて同センターは「農業サイド、消費者サイドはニュースに対する受け止め方や関心が異なるはずだが、日本の農業と食について共通の怒り、疑問、不安を抱いた結果だ」としている。また農政についても「農政の見直しへの評価が極めて低い。農水省がはじめた自給率向上運動・フードアクションニッポンも19位だった。農政にとっては、『現場のリーダーにそっぽを向かれた厳しい年』だったといえるし、今年の10大ニュースは現行農政への批判の裏返しだといえる」と分析している。
同センターは例年、年間の「農業・農政10大ニュース」を自治体、JA、地域生協のトップらにアンケートをとって発表している。10回目となる今年は、全国の892市町村、379JA、151生協の、合計1422団体からの回答を元に作成した。
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本紙選定の「2008年農政・農協10大ニュース」は▽中国製冷凍ギョウザで有機リン中毒▽食料危機で食糧サミット開催▽20年産米作況は「102」、など。
詳しくは12月24日付「記事参照」