農薬工業会(井上克信会長・日本曹達社長、74会員)は1月5日、経団連会館で新年賀詞交歓会を開催、農薬に対する信頼性をさらに高めるため「農薬ゼミ」の推進、「安全性DVD」などを活用した情報提供およびパブリシティの充実などを再確認した。
近年、農産物の安定生産や食の安全・安心に関心が高まっているなか、食料自給率向上の必要性が強く認識されており、同工業会としてもこれに最大限の努力を傾注することが業界の持続的な発展の基軸と認識している。
また、業界にあっては農薬の適正使用が不可欠であり、この推進には不断の啓発活動が重要かつ効果的との判断から、関係行政機関や関係団体などとの連携を強めながら、講習会への講師の派遣および研修会への積極的な参画などに取組んでいる。
一方、現在、農薬行政の刷新が謳われ、登録制度の国際的な調和などが求められている。GLP(優良試験所基準・注)制度にもとづく、作残試験の例数見直しなどは近々の具体例。また、農薬取締法5年後見直しなども俎上に上っている。
同工業会では、この変革は「業界に大きなインパクトをもたらすもの」(井上会長)と捉え、「その実効性と実際の効果、経済性、日本農業の実態とバランスが保たれることがもっとも重要」(同)としている。
今後も農薬業界を取り巻く情勢は、決して楽観できるものではない。原材料費の高騰に加え、R&Dや既存農薬の登録維持経費などの今後予想される増大など、企業経営においてもいっそう多くの努力を課せられることになる。
(注)GLP 化学物質に対する各種安全性試験成績の信頼性を確保することを目的としている。
元気な日本農業と食料自給率の向上にどう貢献していくのか 1月5日、経団連会館にて |