子どもたちの農業体験活動の輪をひろげようと設立された「子どもファーム・ネット」の20年度全国交流会が1月31日、東京・大手町のJAビルで開かれ、1年間の活動をまとめた「かべ新聞」コンクールなどが行われた。
「かべ新聞」コンクールのほか、 各種アトラクションも楽しんだ。 |
4年目を迎えた同ネットには全国で397グループが登録。今年度の活動に応募した206グループのうち、第一次審査会で入選した49作品が会場に展示され最終審査が行われた。
審査委員長の今村奈良臣東大名誉教授はこれまで米づくり体験が多かったが今年度は果物、野菜、養蜂など多彩な農産物づくりへの挑戦が見られたことや、加工、販売の工夫、地域社会との結びつきまでかべ新聞に盛り込んだ意欲的な活動発表が増えたと評価。「例年以上に企画力、表現力に富んでいた」と講評した。
審査の結果、農林水産大臣賞に選ばれたのは広島県廿日市市の玖島小3年「玖島わくわくファームグループ」。総合学習の時間に地域特産の長ナスとピーマンの栽培に農家の指導も得ながらチャレンジ。予想以上の収穫量で、学校給食の材料に使ってもらったり、ナスのカレー、グラタン、さらにはそうめんなど独自のレシピを作って試食するなどの活動にまで広がっていった。
農水大臣賞受賞の玖島小のみなさん。 後列が久屋妙子教頭(左)と 石田小夜子先生 |
校内には地域の協力で10年前に整備したファームがあり、これまで体験活動に力を入れてきたが、今回、ファームネット活動に参加して初めてかべ新聞に成果をまとめた。それが見事栄誉に。「子どもたちとともに達成感を感じています」と担任の石田小夜子先生。
子どもたちと話し合ったのは「なぜ、こんなに良く育ったのだろう?」。「太陽、水、土など自然が豊かだからじゃないか、というのが子どもたちの結論。学校農園の歴史と地域の自然に感謝しようという気持ちがわいています」と久屋妙子教頭。同校は全校生徒65名で3年生は8人。「残念ながら子どもたちは少なくっていますが、地域が元気になる受賞です」と話していた。
【農林水産大臣賞】
玖島わくわくファームグループ「玖島長ナス新聞」(広島県廿日市市)
【文部科学大臣奨励賞】
いわき市立中央大北小6年2組「食とエコの新聞」(福島県いわき市)
【JA全中会長賞】
▽松平中ファームグループ「Matsudaira Active Times」(愛知県豊田市)
▽オロムシチャレンジキッズ「養蜂新聞」(北海道訓子府町)
▽比地大小5年「実るん田から命のおくりもの」(香川県三豊市)
【審査員特別賞】
▽暁幼稚園「すずかけしんぶん」(静岡県焼津市)
▽印南町立稲原中学校「稲中農園かわら版」(和歌山県印南町)
▽風の子の家クラブ「ゆかいななかま新聞」(静岡県焼津市)
【子どもファームネット大賞】
▽東京ゆりかご幼稚園「めたせこいや」(東京都八王子市)
▽東京都北区立神谷中「直送! ファームの1年」(東京都北区)
▽西吉野中園芸委員会・柿っ子「柿っ子新聞」(奈良県五條市)
▽練馬区立大泉第三小5年「のびのび米新聞」(東京都練馬区)
▽みそみ小5年「田んぼは未来を救うヒーローだ!」(福井県若狭町)
▽豊岡市立新田小なかよし学級「コウノトリもすむ新田でやさいづくり新聞」(兵庫県豊岡市)