今秋開かれる第25回JA全国大会にむけて、「これからのJA運動とJAリーダーのすすむべき道」はどうあるべきかをテーマに2月6日〜7日、JA−IT研究会は第24回公開研究会を開いた。
研究会代表の今村奈良臣東大名誉教授は冒頭で「JAには明確な経営ビジョンと地域密着型の行動が求められている」とあいさつしたとおり、研究会ではJAの総合事業や地域農業戦略などについて5人が事例報告を行った。
「JA職員に徹底した教育を」
と語る尾鈴ミートの遠藤代表 |
JA尾鈴の運営審議会副会長を勤める(有)尾鈴ミート代表の遠藤威宣氏は「農業者は経営者になれ」というメッセージをこめて、JA職員やJA運営への意見を述べた。「農業者なら貸借対照表ぐらい読めないとダメ。青年部に属している息子も今、一生懸命簿記をやっている。JAの営農指導職員は技術指導よりも、経営指導できるような教育をしないといけない」と、JA職員を徹底的に教育するべきだと提言。さらに「法人の役員会にJA職員が必ず出て、法人とJAの関係をしっかりしていかないと自給率なんて上がらない。協同の力を発揮して、一緒になって助け合っていくことが必要だ」と農業法人とJAの連携強化も訴えた。
JA兵庫六甲の前田憲成常務は「地域と組合員の暮らしを守る 農を核とした地域協同組合戦略」をテーマにJA兵庫六甲の営農事業や生活文化事業を紹介。「総合農協としての機能を基礎にして、協同活動をとおして組合員の願いやニーズを実現していきたい」と語った。
JAさがの野口好啓組合長は「水田農業の確立と農協の役割」をテーマにJAさがの担い手支援策などを報告し、「これまで農業が大事というのは農業者側の意見だったが、今は国民側からもそういう意見が出ている。米を中心にして、日本の農産物をもっと食べてもらうようにしていくことが大事」だと述べた。
そのほかJAはだ野の松下雅雄組合長、パルシステムの山本伸司専務補佐がそれぞれの取り組みを語った。