JA全農は2月6日の経営管理委員会で、子会社であるJA高崎ハム(株)の財務基盤強化のために10億円の増資を実施することを決め、JA全農とJA全農ミートフーズ(株)がそれぞれ5億円ずつ引き受けることにした。
群馬県内の食肉事業については、全農の子会社である(株)群馬県食肉卸売市場・(株)群馬県食肉公社(平成19年に両社が合併し(株)群馬県食肉卸売市場に)とJA中心の出資による群馬県畜産加工販売農業協同組合連合会(群畜連)が、集荷・処理・加工・販売などの機能を分担し運営していた。
しかし、群畜連の経営が悪化し、解散・清算することになり、17年6月に全農へ事業継承を依頼する。全農は群畜連の事業・機能は県内畜産業に欠かせないものと判断し、群畜連子会社の高崎ハム販売(株)を受皿会社として、同年11月に同社の全株式を取得のうえ増資し(JA高崎ハム株式会社に商号変更)、18年1月に群畜連から事業を移管したが、土地・建物・機械などの必要な事業資産については群畜連から賃貸し事業を開始した。
その後、群畜連の清算のため、賃貸中の事業資産について買い取り協議を行ってきたが、先ごろ買い取り価格が10億円と決定したので、高崎ハムに買い取らせることにし、今回の増資となった。
全農ミートフーズが増資を引き受けるのは、同社にとって食肉加工品事業の強化が課題であることと、すでに高崎ハムと事業連携していること。そして今回の出資でさらに事業連携を強め、総合食肉会社としての事業競争力を強化すること。高崎ハムの北関東から南東北の販売拠点とルートセールスなどの活用による相乗効果の発揮で事業の拡大をはかる狙いがある。