検定結果を述べる 穀検の斉藤豊理事 |
(財)日本穀物検定協会(穀検)は先ごろ平成20年産米の食味ランキングを発表した。これは穀検が昭和46年産米から、全国規模の産地品種ついて官能による食味試験を実施し、その結果を食味ランキングとしてまとて公表しているもの。
平成20年産米については、127産地品種について食味試験を実施した。
その結果を、19年産、20年産でともに対象となった119産地品種についてみると「特A」(平成元年から設けられた)ランクは20点(19年産17点)、「A」ランクは39点(同43点)、「A’」ランクは60点(同59点)となり、「B」以下は該当なしとなっている。
20年産米は、作柄は全国平均102の「やや良」だったが、一部産地では台風、低温および日照不足の影響などの被害を受けた地域もあって、19年産米よりもバラツキがみられたと穀検ではみている。
20年産米で新たに食味ランキングの対象となった新品種のうち「長崎・県南」の「にこまる」が「特A」の評価を受けた。「にこまる」は九州沖縄農研センターが平成8年に開発した品種で、熟成期はヒノヒカリよりやや遅い中生。耐倒伏性は中、いもち病抵抗性はやや弱。食味はヒノヒカリよりやや優れ、コシヒカリ並みの上中との評価だが、高温障害に強いということで長崎県諫早地区を中心に作付けされているが、今後は西日本一帯に広がっていく可能性があるとみられている。
また、「日本晴」に変わる品種として期待され、初めて食味ランキングの対象となった「秋の詩」(滋賀県農総センター育成)は、「A」ランクの評価を得た。
表1に「特A」21産地銘柄を表2に主な品種別ランク状況を示したが、「新潟・魚沼」の「コシヒカリ」は「特A」が設定された平成元年から20年連続、「山形・内陸」の「はえぬき」は作付けが開始された平成6年から15年連続の「特A」ランクの評価を得ている。