農林中央金庫は3月末に最大1兆9056億円の増資を決定した。
会員から最大1兆3824億円の後配出資と永久劣後ローンの残高を最大5232億円増加させる。3月末を払い込み期日として実施する。2月20日に公表した。
同日公表した08年12月末の自己資本比率は10.74%。9月末にくらべて0.58%の低下となった。リスクアセット(危険資産)は9月末比で4兆949億円減少し、24兆4995億円となった。おもに円高要因による。
証券化エクスポージャー(有価証券、買入金銭債権など)の時価評価額は、損失額2446億円、評価差額3815億円で6兆434億円となった。世界的な金融市場の混乱で厳しい経営環境が続いており、農林中央金庫では通期経常利益予想1000億円(単体)の未達、さらには通期赤字となるリスクも否定できない状況にあるとしている。
20日の会見で4月に新理事長に就任する河野副理事長は「より慎重な投資スタイルをめざす」としながらも、「系統金融の中央機関として会員への収益還元に最大限注力していきたい。増資をお願いしたがこれは内部留保を積み上がるためではなく、会員への還元に使っていく。会員、取引先、職員などすべてのステークホルダーから信頼される金融機関をつくっていきたい」と話した。