石破農相は、WTOのファルコナー農業交渉議長と3月3日夜、東京都内で懇談した。ファルコナー議長は日本とニュージーランドとの高級事務レベル経済協議に大使として出席するために来日した。
懇談ではWTO交渉の今後のプロセスや農業分野が話題になった。
今後の見通しについては石破農相が「閣僚会合を開く場合は実質をともなうものでなければならない。残された問題について実務レベルで必要な議論を深化させていく必要がある」と述べた。これに対してファルコナー議長は「閣僚会合開催のタイミングは、米国の出方次第だ。それが明らかになるにはまだしばらく時間がかかるだろう」との見通しを述べた。
農業分野について石破農相は重要品目数の十分な確保や上限関税への反対など多様な農業の共存という日本の理念を改めて主張、「各国のセンシティビティに配慮した貿易ルールがつくられることを望む」と話し、ファルコナー議長は「日本の主張については各国との交渉次第だ」と述べた。
こうした懇談のなかで、米国通商代表部の貿易交渉体制がまだ決まっていないことや、インドも総選挙を控えていることもふまえ、モダリティ確立について「7月までに確立するのは難しいのではないか」との見通しを示した。