食料問題の 中学校教師用解説書の表紙 |
食料と農業と生命の大切さを子どもたちに伝えていくため中学校での学習機会をもっと広げてほしいと農林水産省は「食料の未来とわたしたちの“いま”」という教師用解説書を作り、3月3日までに全国の中学校と教育委員会に配った。
昨年度は「食料の未来を確かなものにするために」というDVD映像資料を配ったので、これと併用して活用してほしいと望んでいる。対象教科は社会科、家庭科と総合的な学習の時間の3つで構成は5単元。28頁。監修は筑波大学の谷川彰英副学長。
単元1は社会科(歴史・公民)でタイトルは「戦後日本の食料確保の歴史」。ゲストティーチャー(客員講師)を招いて「子どものころの食卓」の話を聞き、「戦後の食料事情の変化」について考える、などの指導案を示した。
ゲストティーチャーは、生徒から見て祖父母の年代の人と、父母の年代の人の2人とする、という留意点も挙げている。
単元2も社会科(地理・公民)で「日本の食料輸入と世界」。食料輸入が増えて、日本の農業構造が脆弱化していること、その結果、国土の保全にも影響を与えていることなどを学ぶ。
また「食料は海外に任せたらよい」という意見について、生徒に賛否両論を出させるようにする、といった留意点も挙げた。
さらに「日本は海外から食料を買い続けることができるのだろうか」という課題を追求する。
単元3も社会科(公民)で「食料の未来と環境・世界」がテーマ。「もったいない」という言葉や、地産地消などに「注目したい」との視点を示した。
単元4は家庭科で、「サスティナブル・クッキング」を目指し、献立作成や調理実習をする。
単元5は、総合的な学習の時間で、タイトルは「日本の食が危ない!」。食の危機をとらえ直す。
豚肉を学習素材とし、飼料のトウモロコシ輸入の現状に特化して、食料自給率の低下を考察する。