3月6日の東京での表彰式。コンクール受賞者を代表して岡本保消防庁長官から表彰を受けた |
本紙連載の「今村奈良臣の地域農業活性化塾」や新年号1面などのイラストを描いている高知市春野町の種田英幸さんが、消防庁が全国から募集した「消防士・消防団員を主人公とした漫画・ビデオ」コンクールで最優秀の「漫画大賞」を受賞した。
消防庁は市町村が消防業務を行う自治体消防制度発足60周年を機に、消防士や消防団の活動をもっと国民に知ってもらおうと同コンクールを創設。全国から応募された33作品を漫画家・松本零士氏が委員長の審査委員会が種田さんの「がんばれ消防団」を大賞に選んだ。
種田さんは春野町で園芸農家を続けながら高知漫画集団に所属して創作活動をする一方、昭和40年から平成19年まで消防団員、団長を務めた。作品は実体験をもとに、孫に語り聞かせるストーリー。
「地域の若者は消防団で先輩にもまれて一人前になっていくものでした。農協青年部は即、消防団員だったし、今でもJA職員の1割が団員になってくれています」。
作品では火事だけでなく大雨や土砂崩れの現場で奮闘する消防団の姿も描く。
「単なる火消しじゃない。絆を深めて一体となって地域を守っていく。けがをした仲間のために総出でハウスのビニール張りをしたこともあったんです」。
消防署の職員は全国で約16万人いるが、地方では数が少ない。「消防団が地域を守る最前線。若者に隣近所で助け合う消防団にもっと入って欲しいと願いを込めて描きました」と話していた。