JA役職員の退職金財源の積み立て管理・運用をしている(財)全国農業協同組合役職員共済会(JA全国共済会)は3月13日に理事会・評議員会を開き21年度の給付還元率と21年度事業計画を決めた。
JA職員の退職金財源積み立てのために掛け金を支払う「制度」の給付還元利率は前年度同様、1.10%と決めた。「制度」は掛け金が損金扱いとなり節税対策となるメリットがある。制度への加入団体合計で、20年度の節税額は69億円になるという。
一方、「施設」は役員の退任給与金や個人の財産形成のため任意で加入する仕組み。給付還元利率は前年度より0.1%引き下げ1.25%とした。還元利率 は1月末の市場金利を基準に将来の運用益を計算しているが、昨年同時期にくらべて0.2ポイント下がったことから6年ぶりの引き下げとなった。
同会の資産運用は国債、地方債などの国内と外国債(円建外債)の確定利付債権が中心で、株式や仕組み債など高リスクの有価証券は保有していない。ただ し、一部、長期国債などが償還期限を迎え相対的に利率の低い新規債との入れ替えがあったことから、還元利率に影響した。保有有価証券全体の評価益は昨年度 より11億円増えて93億円となっている。
20年度実績ではJAの加入率は前年度末より0.5ポイント増の89.5%。21年度は「契約口数拡大運動3か年計画」の2年めで「制度」200万口、 「施設」33万口の契約拡大に取り組む。また、広報活動強化のため21年度上期をめどにホームページを開設する。