平成20年7月に国からの検査費用が補助が廃止されたBSE全頭検査だが、来年度も全自治体が独自予算で検査を継続する予定だ。検査の有効性に意義を唱え る識者も少なからずいるなか、「食の信頼向上をめざす会」が全国の自治体に対して行った「BSE全頭検査に関するアンケート」の結果を公表した。
アンケートは今年1月に47都道府県を対象に行い、44件の回答を得た。
全頭検査継続の理由については35件が「消費者が求めている」、18件が「他の自治体と違う判断をするのは困難」と回答。検査の継続時期については40件が「未定」とした。
検査にかかる年間費用は「100万円未満」とする自治体が6割。「100〜500万円未満」が16件あるので。9割の自治体が500万円以下の金額で検査をしている。
このアンケート結果について同委員会は「風評被害を恐れた横並び対策で、牛肉の安全性を確保するための判断ではない」と分析。「食品安全委員会では 20ヶ月齢以下のBSE検査は必要ないと科学的に結論づけられており、消費者の判断を優先しただけに過ぎない。消費者の不安が払拭されていない、と回答し た自治体もあるが、不安を払拭するための広報活動などは見受けられない」と、行政の態度を批判した。また「検査費用が自治体にとって大した金額でないこと も、検査継続の一因だろう」としている。
また今後の見通しについては「BSEの発生リスクは、肉骨粉飼料の禁止によって年々低下している。リスク評価を見直せばOIE基準の36ヶ月齢以上、も しくはEU15ヶ国基準の48ヶ月齢以上にまで引き上げられる可能性もある。その場合でも検査継続するなら、負担金額はかなりのものになる」としている。