加入促進で4者が協力することで合意(左から農業者年金基金伊藤理事長、JA全中茂木会長、全国農業会議所太田会長、農水省高橋局長
|
平成21年度までに加入者10万人を目標に3カ年計画に取り組んでいる(独)農業者年金基金は3月30日、加入促進のさらなる強化のため全国農業会議所、JA全中、農水省との4者会合を行い、加入促進で協力しあうことを決めた。
農業者年金の加入者は20年度末で9万1729人。目標の10万人までは、21年度に8271人の新規加入を達成しなければならない。今回の申し合わせ では、各県単位で研修を開いたり自由度を高めた特別対策の策定や、農業委員会系統やJAで各地のリーダーが加入促進のためのリーダーシップをとることで合 意した。
JA全中の茂木会長は「旧制度のような複雑さがなくわかりやすいいい制度なので、ぜひ推進したい」、全国農業会議所の太田豊秋会長は「新制度の立ち上げ に立ち会っているので、加入促進が進まないのは残念だ。さらなる推進をすすめたい」と、それぞれ加入促進への協力を述べた。
同基金の伊藤健一理事長は「19年度新規加入者は4173人、20年度は3707人なので、21年度だけで8000人以上の新規加入はかなり難しい状 況。しかし非常にいい制度で、ぜひとも多くの人に勧めたい。なんとしても目標を達成したい」と決意を述べ、「最終的には4〜50万人いるとみられる対象者 全加入を目指したい」と目標を掲げた。
20年8月までは、新規加入者が19年度を上回る勢いだったが9月以降は失速。結果的に20年度の新規加入者は19年度より466人減少した。 その理由として同基金では、▽9月以降の世界的経済状況の悪化で年金がマイナス運用になったこと▽農業委員の改選や耕作放棄地対策などで加入促進に力を注げなかったこと、などを挙げている。
マイナス運用については、「3年程度の短期で見ればマイナスかもしれないが、長期的に見ればプラスに転じる。そもそも保険料支払い金は税金の控除対象なので、節税効果だけでも非常に得をする」ことをアピールしていく。農業委員については「今回の申し合わせで協力体制を確認したことで今後の活躍に期待したい」としたた。(関連記事)