農協は生産資材の値下げ努力を強化していないと感じている農業者が5割ほどいる ‐‐そんなアンケート調査結果を農水省が3月26日発表した。「農協の経済事業に関する意識・意向調査」で、系統の経済事業改革に役立てるために実施。昨年7月に農業者モニター約2100人が回答した。
◆低い利用者の満足度
資材価格では、ここ2、3年、引き下げに向けた農協の取り組みが強化されたとは「感じない」という回答が肥料、農薬、農業機械ともに5割となった。
農業機械では強化されたのか、されないのか「わからない」と答えた人が肥料、農薬よりも多かった。また「強化されたと感じる」は6%弱で、農薬や肥料に比べて少なかった。
同業他社と比べて農協の資材供給に対する満足度は価格面で5割が、品ぞろえとサービス面で4割が「満足していない」と答えた。 農協の資材供給に期待することは、「価格の引き下げ」が8割(複数回答)を占めた。あとは「営農指導との連携強化」など。
◆営農指導強化求める
資材の主な購入先は「農協から購入」が最も高く、肥料と農薬は7割、また農業機械は4割となった。
農協を主な購入先とする理由は「長年の取引をしているから」が最も高く、肥料は7割、農薬と農業機械はそれぞれ6割となった。
農協の事業のうち今後最も強化してほしいものは、営農指導(農業技術や経営などの指導)が37%強でトップ。次いで農畜産物の集荷と販売(販売事業)33%弱、資材供給(購買事業)約20%の順。
営農指導員や渉外担当者(貯金や共済の推進を除く)の訪問相談回数は「変わらないと思う」が4割、「減ったと思う」が3割、「訪問してこない」が2割強、「増えたと思う」が1割となった。
◆出荷先はやはり農協
一方、農畜産物の出荷先は農協が最も高い割合を示して6割。次いで直接取引2割、集出荷業者・卸売業者が1割強となっている。
農協への出荷販売の割合は最近2、3年「変わらないと思う」48%強、「減ったと思う」23%弱、「増えたと思う」約15%。
同業他社と比べた農協の集荷や販売事業に対する満足度は価格について5割がまたサービスについては4割が「満足していない」と回答した。
また農協の販売事業に期待することは「販売力の強化」が最も高く8割を占めた。販売力強化の内容は価格交渉力の強化、直接販売その他販路の拡大、契約栽培の拡大、販売先の提案など。
次いで「手数料の低減」と「消費者ニーズの把握と生産現場への情報提供」がともに3割近くを占めた。
同省は農林水産情報交流ネットワーク事業として生産者、流通加工業者、消費者からなる情報交流モニターを全国に配置しているがこの調査はその中の農業者モニターを対象とした。