食品事業者の責任は重い -事故米有識者会議
-事故米有識者会議
内閣府野田大臣と但木座長 事故米不正規流通問題の原因や今後の対策、行政のあり方を検討するため昨年9月に設置された内閣府の有識者会議(事故米穀の不正規流通問題に関する有識者会議)は3月31日、第二次とりまとめを野田聖子内閣府特命担当相(消費者行政推進担当)に手渡した。 昨年11月には事故米問題の原因究明と責任の所在を明らかにする中間とりまとめを提出したが、今回は米のトレーサビリティ法案など米流通システムと、消費者への情報提供のあり方についての議論をまとめた。 とりまとめでは農水省が今国会に提出している米トレーサビリティ法案などについて概ね評価しているものの、酒類についてもトレサービリティの対...
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内閣府野田大臣と但木座長
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事故米不正規流通問題の原因や今後の対策、行政のあり方を検討するため昨年9月に設置された内閣府の有識者会議(事故米穀の不正規流通問題に関する有識者会議)は3月31日、第二次とりまとめを野田聖子内閣府特命担当相(消費者行政推進担当)に手渡した。 昨年11月には事故米問題の原因究明と責任の所在を明らかにする中間とりまとめを提出したが、今回は米のトレーサビリティ法案など米流通システムと、消費者への情報提供のあり方についての議論をまとめた。 とりまとめでは農水省が今国会に提出している米トレーサビリティ法案などについて概ね評価しているものの、酒類についてもトレサービリティの対象とすることや、仕入れや販売先などの記録保存期間についても「相当の期間」とすべきとの意見を示した。 また、消費者への情報提供のあり方では、事業者名の公表について「事業者の権利・利益を過度に制約しないよう配慮する必要がある」ことや、被害の拡大を防ぐために消費者の注意喚起をする場合は「問題となった食品・製品名、それを取り扱った事業者名を公表すべき」と指摘した。 また、被害をもたらした原因食品が特定できない段階であっても、その時点で判明している事実は公表、その後に情報が誤りであった場合は速やかに訂正する対応が必要だとしている。 但木敬一座長は今後の行政のあり方について「知らしむべからず依らしむべし、という時代は終わり、情報を開示しながら行政を行う時代になった。これまでは農水省に限らず経産省も厚労省も生産者サイドに立っていたが、消費者、被害者の立場から見るということ」と消費者視線の行政への転換が必要だと記者団に語った。また、食品事業者について「自分が使っている原料がどこでどう作られたか、調べて消費者に提供する義務がある。(事業者)全員が責任を持っている」と強調した。 有識者会議のとりまとめのなかには「米は主食であり日本農業の根幹に位置する作物だが生産調整を実施」と指摘、一方で食料の国際需給は大きく変化し「食糧が不足している国もあることをふまえ…米輸入のあり方について…政府全体として検討を進め国際交渉にも適切に対処すべき」との意見が会議で出されたことも明記されている。
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(2009.04.02)