08年は世界的に穀物、油脂などが高騰したほか、包装資材なども上昇したことから多くの食品で値上げを実施。量販店チェーンではPB(プライベートブランド)商品とNB(ナショナルブランド、商品の価格差が広がり、消費者の節約志向もあってPB商品がNB商品のシェアを浸食しているなど、加工食品についての市場調査結果を(株)冨士経済がこのほどまとめた。
調査によると、のりやかつおパックなど水産加工品では新たなに導入されたPB商品がNB商品に取って代わる動きがみられ、主要量販店ではPB商品が30〜40%に達しているという。
調理済食品では、セブン&アイ・ホールディングスが全品1個100円の冷凍調理済食品の販売を始めたが、この価格で冷凍ケースの温度管理コストをカバーするためには「一定水準以上の商品回転率が必要」と指摘、今後の動向が注目されている。
デザートではプレーンヨーグルトの棚でPB商品が40%を占めるという。低価格訴求のほか低脂肪、無脂肪といった機能性をうたった商品も注目されている。そのほか節約志向が強まった08年は乾パスタの需要が高まり、国産パスタのPB商品率が70%を超える大手量販店もあり、また、食パンでも大手から中堅までPB商品が30〜40%になっていると報告している。
調査は08年7月から今年1月まで5回行った。世界同時不況の影響から消費マインドの後退が懸念され、食品メーカーは08年のコストアップ分を十分に価格転嫁できていないケースも多く、09年は収益面で「難しい舵取りが余儀なくされる」と指摘。また、PB商品については今後も台頭すると見られ、NB商品の企画開発力や独自性が今まで以上に問われ「いよいよ商品の選別、淘汰が始まる局面を迎えた」としている。