農林水産省は新型インフルエンザの発生を受けて4月30日に日本向けに輸出される豚の輸入検査で、全頭を対象に豚インフルエンザの精密検査を行うと発表 した。平成20年度の生きた豚の輸入実績は421頭となっている。 一方、国内では豚インフルエンザが新型インフルエンザに変異することが懸念されていた ことから、これまで一部の都道府県で農場段階でサーベイランスを行ってきたが5月1日、全都道府県に対して実施するよう要請した。
調査は呼吸器症状など臨床症状を示す豚を対象にウイルス分離検査を実施、ウイルス保有状況を確認する。A型インフルエンザウイルスが分離された場合、農 水省は厚労省に連絡、また、都道府県の家畜衛生部局は公衆衛生部局に連絡するとともに、当該農場に対して同居豚の異常などがあれば連絡するよう指導する。
全国の調査状況は原則として毎月、農林水産省のホームページで掲示する。
なお、食品安全委員会は4月27日、「豚肉・豚肉加工品は『安全』と考える」との委員長見解を発表している。その理由として、(1)豚肉は従来から食中毒防止の観点から十分加熱するよう言われていること、(2)万一、ウイルスが付着していたとしてもインフルエンザウイルスは熱に弱く『加熱調理で容易に死滅』すること、(3)万一、ウイルスが付着していたとしても、インフルエンザウイルスは酸に弱く『胃酸で不活化』される可能性が高いことをあげ、豚肉や豚肉加工品を食べることで新型インフルエンザに感染する可能性はない、としている。