(独)森林総合研究所の関西支所は、土壌中の硫黄量を測定する方法を新たに考案したと5月11日発表した。
日本は欧米並みに酸性雨が降っているのに土壌の酸性化の進行が極めて低い。しかし火山灰の少ない地域では土壌の酸性化が進んでいることから、日本の森林土壌の多くに含まれる火山灰に酸を消す力があり、酸性雨の被害を防いでいると考え、火山灰土が酸を消す機能のひとつである「硫黄を蓄積する仕組み」について研究した。硫黄は酸性雨の原因物質。日本の土壌の硫黄量は、1kgあたり総量540〜2240mg(通常数10〜数100mg程度)と欧米に比べてはるかに高かった。
研究から、火山灰土が蓄積する硫黄量は世界有数であることがわかり、多量の酸を消去できることが明らかとなった。火山灰土に含まれる硫黄量は、土壌酸性化の起きやすさの指針となる。