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「生産者の手取り増を考えて」

-農水省の野菜政策検討会で議論(5/13)

野菜の産地育成について「生産者の手取りが増えないと野菜生産は維持できない。そのことを踏まえて品目転換の支援を進めてほしい」などの議論が出た第7回「今後の野菜政策に関する検討会」の概要を5月13日、農水省がまとめた。 検討会は昨年7月18日スタート。加工・業務用野菜や、野菜消費をめぐる情勢などを議論。第6回は「今後の野菜政策の方向案」や「産地育成の検討視点案」を検討。これを受けて第7回は4月28日に開かれた。 野菜生産出荷安定法に基づく野菜指定産地は全国で970あり、産地を単位として計画的な供給や需給調整を推進している。 これをめぐる発言では「単品で産地を指定している現行制度は、産地の自主的な動...

野菜の産地育成について「生産者の手取りが増えないと野菜生産は維持できない。そのことを踏まえて品目転換の支援を進めてほしい」などの議論が出た第7回「今後の野菜政策に関する検討会」の概要を5月13日、農水省がまとめた。
検討会は昨年7月18日スタート。加工・業務用野菜や、野菜消費をめぐる情勢などを議論。第6回は「今後の野菜政策の方向案」や「産地育成の検討視点案」を検討。これを受けて第7回は4月28日に開かれた。
野菜生産出荷安定法に基づく野菜指定産地は全国で970あり、産地を単位として計画的な供給や需給調整を推進している。
これをめぐる発言では「単品で産地を指定している現行制度は、産地の自主的な動きを阻害しているのではないか。産地が自ら消費と生産の動向を見ながら品目転換できる環境整備は今後の重要ポイントであり、ぜひ具体化してほしい」との意見が出た。
また「従来は産地の面積に着目した制度だったが(新しく)人に着目した交付金制度を創設することは、系統組織とは別の創意工夫をしている生産者が各地にできつつある結果であると考える」との発言などがあった。
さらに「産地は今後5〜10年は現行水準を維持できると思うが、それ以後は高齢化の問題から現行政策についてこられなくなる恐れがある。外国人が1万人程度来ているが、彼らを雇用する能力のある人材が育成されなければならない」との提起もあった。
野菜の作付面積は約44万haで生産量とも減少傾向にある。野菜生産は主業農家に担われているが、65歳以上の従事者が約4割を占めている。
検討会委員はJA全中、JA全農、消費者団体、流通・食品製造業界の代表など11人。座長は東京農業大学の藤島廣二教授。

(2009.05.19)