◆企画のパワーで
JA全農青果センター(埼玉・戸田市)は昨年度の売上高が前年に比べ102.7%と、不況下にもかかわらず、年々売上げは右肩上がりだ。
その理由として、いち早く取り入れたコールドチェーンでの管理で、産地から店頭まで鮮度を維持していることで得ている“信頼”のほかに、“企画力”の強さが挙げられる。
同センターの営業開発部では、各営業マンが担当量販店をもっている。産地に出向いて生産者の話を聞いたり販売者の要望を聞いたりと、まさに“懸け橋”の役割を担う。
また、相手からの要望を聞くだけでなく、地方の催しやイベントにあわせたセット売りの提案や包装加工の提案に力を入れている。
◆買いたくなるアイデアを
提案型営業を得意とし、鍋の季節には鍋野菜をパック加工し「鍋セット」として売り、冷たい麺を食べる季節にはしょうがとみょうがをセットにし「薬味セット」として売る、冬になれば4種類のりんごをパックした「食べ比べセット」を売る、などといった企画提案を収穫の半年前におこなっている。直営販売のため試験的な販売も可能だ。提案をどんどん形にして、自由がきくところがメリット。
最近は各JA独自の販売方法が活発であり、各JA固有のパッケージに貼るシールも増えている。現在シールの数はおよそ1000種類。シールなどが保管された部屋にはさまざまなデザインのものが所狭しと並ぶ。販売先のニーズに合わせた野菜の裁断や真空加工、小分け包装などもおこなっている。
生産者は作ったものがどこで売られているか、販売者はどこで作られたものを売っているのか、ということがお互いわかる環境を同センターが築いている。
(写真:(右上)3色のパプリカ詰めあわせのパック作業、(左下)棚いっぱいに管理されたシール類)